ニュースの概要

愛知県安城市にある「天然温泉コロナの湯 安城店」が、天然温泉を軸にサウナ、岩盤浴、飲食、リラクゼーションを組み合わせた複合型の温浴施設として紹介された。館内には天然温泉を使う大きな露天風呂や複数の浴槽があり、熱風を送って体感温度を上げるアウフグースのイベントも開かれる。岩盤浴は「健美効炉」という設備を備え、休憩スペースも用意されている。飲食ではサウナ利用者に向けたメニューや季節限定の料理、朝食を出し、ボディケアやフットケア、アカスリといった有料の付帯サービスも揃える。入浴だけで終わらず、一日をまるごと過ごせる場所として設計されている点が、今回の紹介の中心である。

引用元: 天然温泉コロナの湯 安城店、サウナ・岩盤浴・飲食を組み合わせた複合型施設として展開(All About ニュース)

分析・見解

入浴料だけで稼ぐ時代から、滞在を売る時代へ

温浴施設の収入は、かつて入浴料がほとんどを占めていた。しかし今は、風呂の数や広さだけでは差がつきにくい。そこで多くの施設が、サウナ、岩盤浴、食事、ボディケアを足し、客が館内で過ごす時間を延ばす方向へ動いている。コロナの湯安城店は、その組み立て方をわかりやすく見せている。

滞在が三時間から五時間に伸びれば、食事や追加サービスを選ぶ機会が増える。入浴料だけなら千円台の客が、食事とケアを加えて三千円台、四千円台の支出になる。これが複合型の基本的な計算である。朝食まで用意するのは、早朝という空きがちな時間帯を埋める狙いとも読める。

アウフグースと岩盤浴が生む、通い続ける理由

アウフグースとは、サウナ室で係員がタオルなどで熱風をあおぎ、体感温度を上げる催しである。常設の設備と違い、時間割があり、担当者によって中身も変わる。そのため、同じ客が何度も来る理由になる。映画館の上映時間に近い発想で、来館する日と時間帯を客に決めさせる効果もある。

岩盤浴は着衣のまま入り、同伴者と会話しながら過ごせる。サウナを好む層と、ゆっくり休みたい層を、一つの建物で同時に受け止められる。客層が広がれば、平日昼の女性客や家族連れなど、取りにくかった層にも届く。

設備が増えるほど、裏側の負担も重くなる

ただし、足し算には代償がある。浴槽が増えれば、循環ろ過の機械、消毒薬の注入、浴槽水の検査、記録の保管が増える。サウナは高温のため、利用者の体調急変に備えた巡回と避難経路の確保が欠かせない。岩盤浴ではリネン(=タオルや館内着)の洗濯量が一気に増える。飲食は食品衛生の管理が別に必要で、厨房の人員もいる。一つの建物に、旅館、ジム、飲食店、洗濯工場の機能が同居している状態である。

温泉という核が、他業態との差を作る

温泉を核に置く価値は、ここにある。サウナ単体の施設は新規参入が容易で、価格競争になりやすい。一方、天然温泉は源泉を持つこと自体が、簡単に真似できない資産になる。サウナや岩盤浴を足しても、核が温泉であれば入浴の満足度という土台が崩れにくい。ただし湯量や温度は変わりうるため、設備更新の費用は長く付いて回る。人気が出るほど湯の使用量も増える点には、注意が要る。

愛知県内には大型の温浴施設が多い。設備の数で競うと、投資額の勝負になってしまう。そこで、どの時間帯の誰に何を売るのかを絞り、催しや食事で個性を出す工夫が、設備投資より効く場面は多い。

ビジネスへの影響

新しい設備は、回収期間から逆算して選ぶ

話題の設備や催しを足す前に、一人あたりの追加収入と、増える人件費や水道光熱費を並べて見たい。たとえばアウフグースを週に十回開くなら、担当者の育成費、時間給、定員管理の手間が毎週かかる。それを上回る効果が、入浴料の増加なのか、再来館の回数なのか、食事の注文増なのかを見極める。回収に何年かかるかを先に決めておけば、流行が去った後の判断も早くなる。

回数券と前払い券は、将来の負債として管理する

複合型にするほど、回数券や前払いの利用券が増える。未使用分は、将来サービスを提供する義務として残る。設備の休止や改装をすると、その間の券の扱いが問題になる。いつ、誰が、どこまで使えるのかを、規約と帳簿の両方で追えるようにしておきたい。値引き販売を重ねると、未使用分の積み上がりが読みにくくなる点にも注意したい。

人員は、混む時間帯ごとに組み替える

土日の夕方は、サウナの巡回、食事の提供、岩盤浴の受付が重なる。平日昼は逆に手が空く。一人が複数の業務をこなせる体制を作れば、人数を増やさずに対応できる。研修の記録を残しておけば、非常時の対応力を示す材料にもなる。外部の入居店舗や洗濯業者との契約も、繁忙期にどこまで対応するかを書面で決めておくと、トラブルを減らせる。

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本記事は報道内容を起点にした編集部の解説です。個別施設の許認可・衛生・設備・会計の判断は、所管自治体や専門担当へ確認してください。